透明ガール

……らぎ…



ん…なんか声が…



「桂木起き…」



「起きてまふっ!」



その瞬間辺りに鈍い大きな音が響き、頭に痛みが走る。



「いったぁー」



頭をさすりながら周りを見ると、1人の男子が額を押さえてうずくまっていた。



「うぉっ⁉︎だっ、大丈夫⁉︎」



「大丈夫…」



顔を上げて恥ずかしそうにはにかんだのは



ーーーーー榎本遥だった。



「ごめん!私がいきなり顔上げたからだよね⁉︎本当ごめ…」



言葉を全部言わずに止める。



目線の先の榎本は肩をクツクツと揺らしていた。



「えっと…、どうかした?」



「ご、ごめん…だって今桂木、お、起きてまふってっ…あはは、はっ」