透明ガール


ドアを開けると、大音量の音楽と、楽しそうな喋り声が耳に流れ込んできた。



「おっ!主役のお二方が登場したぞ!」



部屋に入るとマイクを持って歌っていた男子が私達を見てそう言った。



しばらくワチャワチャと騒ぎ、乾杯をしてからやっと席に座って一息つく。



背もたりに寄りかかると、どっと今日1日の疲れが押し寄せてきた。



明日が休日で良かったと本当に思う。



これで次の日が学校だったら確実にダウンしていただろう。



そんなことを思っていると、隣に冬華が腰をおろした。



「お疲れさま」



「うん」



たった一言だけれど、冬華の心からの言葉だ。






凄く、嬉しい。