透明ガール


そんなに酷いのか…



言葉にはしないが、榎本がそう言いたいのは分かった。



「え、じゃあ今日泳げるの?」



「うん!大丈夫!浮き輪を持参致しましたっ!」



「あ。うん。そっか」



あ、適当に返された。




「じゃあ、みんな揃ったし行こっか」



椅子に座って友達と喋りながら、通りすがりの通行人の目を引き付けていた冬華が立ち上がった。



周りを見ると気がつかないうちに人数が増えていた。



どうやら全員揃ったようだ。



今日は行ける人だけと聞いていたため、人数が少ないかと思っていたがそうでもない。



男子は半分以上いる。



絶対に下心ある奴らだな。



どうせ『女子の水着ぃぃぃっ!!ハアハア』とでも思っているのだろう。



まあ、それに劣らず女子も多い。



こちらも言わずもがなだ。