そう言った榎本の頬は、笑いすぎて紅潮している。



「あと15分で始まるから行こうか」



「あ、うん!」



置き勉派だから特に持って帰る物は無い。



「終わるまでここで待ってるね。いってらっしゃーい」



冬華は自分のことではないだけに人の心配をする気は微塵も無いらしい。



ニヤニヤと笑いながら手を振っている。



机の上の筆箱だけをバックに突っ込み、榎本の後を追う。



横に並んだところで一安心する。



もう分かっているだろうが、やはり榎本は実行委員に立候補した。



撃沈し机に突っ伏したらそのまま寝てしまい、今のこの状況だ。



まあ、とにかく、最悪。



皆んな部活に行く時間帯で、廊下には多くの人がいる。



視線がとにかく…痛い。