透明ガール


「あー…うん。無い、かな」



「だよなー!俺も無いから超楽しみ!」



そう言ってえへへ、と笑う。



すんごい元気だな…



その輝かしい笑顔を向けられると余計私のテンションが低く感じる。



そもそも、来たく無かったのにはもう一つ理由があるのだ。



それというのは…



「ね。桂木、なんか元気無い?」



「ふぇ?」



ボーとしていた視界を戻して榎本に目を向ける。



見ると、榎本は何故か心配そうな目をしながら首をこくんと傾げた。



なっ…



なーに女子がやって可愛い仕草を平然とやってのけちゃってるんすかぁぁっ!?



アレだよ!



たぶん私がやったら首こくんじゃなくて、首ガックンになるやつだよ!!!



駄目だ…



どうやって対応していいのか分からん。



「な、なんで?」



顔が紅くならないうちに質問で返す。