幸せになる方法








同時刻、赤島宅


一人の女が凄い剣幕で歩いていた


原奈々子、いや赤島奈々子だ


後ろには並河もいる


赤島家の一人娘の赤島恵美が帰ってこない


並河が知らせるとすぐに家へと帰った


今、ボディーガード、執事、メイド、運転手、まぁ、とにかくコック以外の人は全員恵美を探しに行っている


奈々子は電話を手にして番号をうった


呼び出し音が鳴り響く中、一人苛立たしげにしていた


"…はい?"


電話の向こうから優しい男の声が聞こえた


「あぁ、お義兄さん
お姉さんいますか?」


そう早口で聞かれて


"いるよ
ちょっと待ってね"


そう言いその場を去る音がした


しばらくして電話を手にする音がした


"はーい
ななが電話なんて珍しいね
どうしたの?"


陽気な姉の声が聞こえてくる
ななこは苛立ちが増した


「珍しいも何もないわ!
めぐみが帰ってこないのよ!」


そう言うと姉は


"あんたどうせこれやれあれやれって縛り付けてたんでしょ?
ななの愛情表現は難しいからね
めぐはね、縛られるのがやなの、自由なのよあの子は"


そう言い電話を切られた


ななこの怒りは頂点に達しそうになっていた