「こんにちは〜
とおるさん!」


そう言いベットに座っているとおるさんに抱きついた


とおるさんは困ったように笑った


私は


「今日……
ずっとここにいても良いですか…?」


そう聞くと驚きながら


「ええと、
親御さんに連絡は?」


そう言われて言った


「家を出てきたの」


すると頭を抱えて


「何してんの?
ダメじゃん
お金持ちの一人娘がいなくなったら一大事だよ?」


そう言われてとおるさんもまた、私を私とは見ない…


「とおるさんは……
分かってくれると思ったのに…」


涙目で訴えた


勢い良く病室を走り去った


とおるさんの声は聞こえていた
けど、どうしても戻る気にはれなかった


そして私は、まだ何も知らなかった


彼の目にはこの世界が、この地球がどう写っていたのか……