家に入ると知らないちょっとキツそうなおばさんが立っていた
「めぐみお嬢様ですか?
遅いですよ
何をなさっていらっしゃったのですか?」
そう問われて困りながら
「……申し訳ありません……」
そう返事をすると苛立たし気に
「答える気がないのでしたら別よろしいのですが、
奥様には報告させていただきます」
この間までお稽古の先生をしていた人は確か昨日限りで辞めた
お母さんが使えないと言って辞めさせていたのを見た
「私はお嬢様にヴァイオリンとピアノをお教えいたします並河と言います
これから宜しくお願いいたします」
そう言われたので私も自己紹介をしようとしたら
「お嬢様のことはお聞きいたしましたのでよろしいですよ
ただでさえ時間が押していらっしゃると言うのに自己紹介などしていては奥様に叱られてしまいます」
そう言われたので早めに終わるよう頑張った
終わった時には真っ暗で使用人も何人か帰る時間だった
夕食だと呼び出された
お母さんもいると思ったのにいなかった
仕事が忙しいらしい
大きな長い机に一人でご飯を食べた
料理人と夜の使用人が傍にいたけど孤独感が大きかった

