軌条さんが医者と一緒に帰ってくる音がして私はいすまいを正した


「めぐむちゃん
お待たせ」


そうにこやかに言う軌条さんの後ろから見たことのある人が現れた


「………なつっ!!」


元彼の兄の姿を見て声を上げた


なつも驚き固まっていた


「…………めぐが、どうして?」


そう聞かれて言った


「とおるさんが私の彼なの」


するとなつは笑って言った


「そうか、とおるくんの担当医の木村だ
これも何かの緣だろう
よろしく」


とおるさんは
なんとなく察して


「木村先生、俺の方こそよろしくお願いします」


そう言い握手していた


私は安心した


なつは卑怯な事やずるい事はしない


何事にも全力で取り組む人だ


少し軌条さんととおるさんとなつで話すと言い私は病室の外に出た