何もできないまま椅子に座っていた
気が付くと大きな豪邸の前に立っていたんだ
門を開けて中に入ると大きな庭があり
進むと玄関だった
真っ白な壁が広がっていた
「靴を脱がないでいいわよ
そのまま入って大丈夫なのよ
さぁ、ここがあなたの家よ
めぐみ」
そう言われてまだ中一の私は言われるがままに動いていた
中に入り椅子に座り出された食事を食べて
お風呂に入り
決められた部屋に行き
着替えて寝た
ここから出ることは不可能
必ずと言っていいほど私にはボディーガードがついてくる
私は自分の母親を見て思い出した
『小一で小中の全国テスト1位、
中一で大学受験完璧の天才少女』
今話題の若き社長、大学卒業わずか3年で社長になり初めは注目されたがだんだん薄れてきて、
6年たった今また売上が上昇中
この間の新聞でインタビューのとこに幼い時は何をしていたか
と、言うのがあった
母親はこう答えていた
勉強をしていました
この一言………
私の頭の良さ、運動神経の良さ、容姿、何もかもが今目の前にいる母親と
今は亡き…………
天才と呼ばれたヴァイオリニスト
赤島空

