「…………………は?」
そう間抜けな声が出た
「電車、一緒だったんだ
声かけようと思ったけど俺だって分かんないかもと思ってやめたんだよね
ほら、休日に出かけてなかった?
友達とさ、
やっぱり可愛いなぁ〜って思ったんだ
今の彼氏は正直言って歳が離れすぎだし、
多分だけど君が抱いている思いは異性としてじゃなくて、お兄さんとして
の好きだと思うよ?
俺は、めぐむちゃんが恋愛対象として好きだよ」
そう言われて少し気持ちが傾いたのは本当だ
このごろ彼氏は忙しくて連絡をしてはくれない
付き合い始めたのは私が小学校の時、
いくら小学生に見えなかったからと言って
歳の差は縮まらない
「…………でも、私は……………」
そう言いかけてとおるさんの人差し指が唇に触れた
「お願い、
俺と…………
付き合って………………」
弱々しく言われて
迷った
普通だったら迷わずに断るのに、
なぜか彼が他に何か訴えているようですぐに答えが出なかった
「…………
考えさせて、下さい……」
そう答えると
微笑みながら
「良い返事を期待しています。」
そう言い去ってゆく彼の背中を見ていた

