私は、どうしていいか分からず、


立ち尽くしていた


「…………あの、とおるさん。

私で良ければ
お話、聞きますよ………?」


そう言うと


悲しく微笑みながら


「ん?
大丈夫だよ
ありがとう

めぐむちゃんは、優しいんだね」


そう言いながら頭に手を置いてきた


いい子いい子をしてくれた


その手は、優しく温かかった


だから、私も頑張って背伸びをして
とおるさんにいい子いい子をした


「………ん?
どうしたの?」


そう聞かれて
戸惑いながらも


「…よく、頑張りました。
幼稚園の時から、誰にも相談しなかったんですか?
悲しい顔ばかりして、
私も辛くなります………」


そう言うと驚きながら


「俺が………?
悲しい顔?
…………ちゃんと、笑顔の練習も、

したんだよ?」


そう悲しそうに言い手で顔を覆い泣いているようだった


私は、いい子いい子の手を、
止めることはできなかった