ちょっとしてから泣くのを止めて走り出した
とおるさんの病室の前に来た
何度も何度も、病気がどうのこうのってこの病室に寝ていた
その時はいつも毎日欠かさずに来ていた
一秒でも長く一緒にいよう
そう言っていたんだ
けど………
ドアを叩きながら言った
「……とおるさん!
私!
なんで会うのを嫌がるの?
ちゃんと説明させて!
お願い!
ごめんなさい!
私に会ってもいいって言って!
毎日ちゃんと来る!
あなたが………
何を言ってもちゃんと聞く!
返事をして!
とおるさん!
とおるさん!
とおる!」
そう言った
相変わらず返事がないから寝てるのかと思いドアを開けた
するとこちらを見ないとおるさんが
「来るな!
もう、二度と来ないでくれ………」
そう言った
軌条さんが私の腕を引っ張った
私はとおるさんの顔が見たくて抵抗した
看護師さんたちが来て私を追い出そうとした
私は必死に
「とおる!とおる!
なんで!?
私は!
プレゼントを買っていたの!
誕生日プレゼント………
昨日、お誕生日だよ!
祝わせて欲しかった!
パーカー、買ったの!
とおる!」
叫んだ、一生懸命に叫んだ
これ以上ないほどに……
彼は一度も振り向かずにドアがしまった
病院からも追い出されて
親が迎に来て
帰った
何度も思い出す
彼との時間………

