朝になりリビングに行くとお父さんが料理を作っていた


「おはよー
今日も早いの?」


そう聞くと少し笑ってから


「おはよう
別に早くはないけど
昨日お母さんに聞いてね
めぐむ。
話があるからちょっと待っててね」


そう言われて椅子に座り待つことにした


少ししたらいい匂いのする料理が机に並んで前の椅子にお父さんが座った
見た目もすごく優しそうなお父さん。
性格はクソが付くほど優しい


「めぐむ」


優しく微笑みながら名を呼んだ


「はい。
なんでしょう?」


そう答えると
頷いてから


「無理強いはしたくはないんだけどね
このままだと、めぐむは友達を作らないのかな?」


そう問われて頷き
「友達は、いらないと思います
いても邪魔です。
お父さんは、どうして私を高校に入れたのですか?」


そう聞き返すと
困ったようにしながら


「確かに、旅館で働かせてもらうのも良かったよ
けどね、めぐむ…
めぐむは小中って友達が多くて、家ではよく学校の話をしてただろう?
それが、お父さんとお母さんは嬉しかったんだ

どんな些細なことでも嬉しそうに話すめぐむは
とっても輝いていた
たしかに、すぐに元気になって忘れてたらそんなもんなんだって思った
けど、だからと言って学校に行かないでいい理由にはならない

って、思ったんだ」


そう言われて中三の夏を思い出した


学校は登校拒否。
携帯は壊し。
食事も取らず。


心配ばかりかけた


私は、バイトもやめようと思った
だけど、お父さんとお母さんはお金を持って学校とバイトに頭を何度も下げて頼んだ


今はすごく申し訳ないとは思っている


でも、どうしても人と関わりたくない


「お父さん、
ごめんなさい
何度考えてもどうすればよかったのかが分かりません。
私は、もう人とは関わりたくないです
本当にすいません」


そう言って部屋に行き準備をして家を出た