彼はそのまま、走り去った
けいさんが追いかけろと言った
私は足が重くて動けなかった
嫌な予感がしたんだ
もう二度と………
彼に会えない気が………
でも会いに行けない距離ではないと思い家に帰った
帰るとお母さんがすごい形相で出てきて
「めぐむ!
とおるくんが!
とおるくんが!」
そう狂ったように名前をずっと読んでいた
落ち着いてから話を聞いた
私は荷物も何も持たずに走り出した
ただ、彼のいる場所へと…………
会えないかもしれない
けど、謝りたい
ちゃんと仲直りをしたい
お母さんは
こう言ったんだ
「今、とおるくんは病気が悪くなってきて入院してるんだけどね
今日の午後病室抜け出したんだって
それでね、事故にあって今は意識不明の重体だって」
そう言い天パるお母さん
分からない弟と妹が顔を覗かしていた
私は走って、走って、走って走って走って走って走って走って走って走って走って
とにかく走った
足を止めないように、
病院に入っても走って
軌条さんを見つけて駆け寄った
「軌条さん!!
とおるさんは?」
そう問うと
「まだだよ」
そう言われた
一緒に待つことにした
何時間座っていたのか覚えてない
動かずにずっと椅子に座っていた
彼から見れば、私は裏切り者………
とおるさんの手術が終わり出てきた
顔を見て安心した
病室で目を覚ますのを待っていると
「めぐちゃん…
明日も学校だろ?
私が付いているからめぐちゃんは家にお帰り」
と、軌条さんに言われた

