「兄貴。はいるぞ。」

郁人が入ってきた。



「なんで、ねーちゃんが家出したか教えてあげるよ」


「若っ。それわ!」


「黙って、影山。


てめぇのせいで、家を出たんだよ。」



俺のせい?


なんで俺のせいになるんだよ。



「仕事ばっかで、ねーちゃんが寂しい時も一緒にいなくて、俺が側にいてもずっと泣いてたんだよ!!!それを知らねぇ兄貴が、仕事ばっかで。ねーちゃんは一人が嫌だから家を出て愁生さんのとこいるんだよ。」



あいつ寂しい想いをしてたんだ。



そーいえば、親父とお袋が死んでから


あいつは泣くのを見せなくなった。




迎えに行く。


亜里沙……。



一ヶ月ですべての仕事を終わらす。



だからそれまで、愁生のとこにおれ。