「ちょっと前にね、挨拶したら返してくれて。

それからちょっとずつ話すようになったんだけどね。

昨日話してたら、会話の勢いで告白しちゃって。

………振られた。」


サキは、ゆっくりと経緯を説明してくれた。


「もてるし、叶わないって分かってたけど………。

いざはっきり言われるときついかも………。」


そう言って泣きそうな顔になったサキに、


「泣いていいんだよ。」


って優しく言ったら、声をあげて泣き出した。


「うっ……うっ、うわーーー」


しばらくそうしてたらだんだんと落ち着いたみたいで。


「思い出にしなよ。

………新しい恋も考えてみれば?」


やっぱり、マサルにも頑張ってほしいから。


「うん……。」


「よし、思いっきり歌っちゃえーー!」


サキの声は元気が無いままだったから、わざと明るい声を出した。


「よし、歌うぞーー!」


そう返ってきたサキの言葉にちょっと元気が戻ったのが分かって、安心した。


あんまりバラードを選ばないように気をつけながら、比較的ポップな曲を熱唱しまくって。


カラオケを出て分かれ道で手を振ったサキの笑顔を見れて、嬉しくなった。




それぞれの想いが、繋がりますように。


いつの間にか黒に変わったはるか向こうで輝きだした星に切実な願いをぶつけた。