ココロはいつもキミのそばに。

翌朝目を覚ますと、雨の音が部屋に響いていた。


たったそれだけの事なのに、不安がつのり、泣きたくなった。


なかなか寝れなくて寝不足のせいか、なんだか体が重い気がする。


あくびをしながら支度をして家を出ると、当たり前だけどそこには誰もいない。


毎朝家を出るとそこに居るはずのミズキが、そこにいない。


また不安がつのって、心が折れそうになる。


信じてるのに不安は消えなくて、そんな自分が嫌で嫌で仕方ない。


結局授業を受ける気になれなかった私は、サキにメールで伝えた後、1人屋上へ向かった。


生ぬるいコンクリートに身を預けると、すぐに眠気が襲って目を閉じた。



「……ヤ!

アーヤ!!」


誰かに名前を呼ばれた気がして目を開けると、視界に心配そうなサキとマサルが映った。


「いつまで寝てるの?

もう昼休みだよ?

授業は?」


もう昼休みなんだ。


早いな。


「授業はサボる。

部活も休むから、マサル、伝えといて。」


「アーヤ……。

辛いのも分かるけど、授業は出た方がいいよ。

教室で待ってるからさ。」


サキの優しさが、今の私には余計なお節介で。


「うるさいっ!

サキには私の気持ちなんて、分かんないよ!!」


気がついたらそう叫んでいた。