そして迎えた練習試合当日。


会場はうちの学校だから、相手を待ち受けていた。


そしてやって来た相手校の選手は、思ったよりもみんな身長も高く、がっしりとした体つきの選手ばかり。


えっ!


こんな相手に勝てるの!?


そんな事を思いながら忙しく試合の準備をしていると、あっという間に試合が始まってしまった。


最初は相手ボールから始まり、うちの選手が奪いにかかる。


でも、体格とは似合わない素早い動きで、なかなかボールに触らせて貰えない。


その時、DFのキャプテンが空いての裏をかいてボールを奪った。


凄い!

やっぱりキャプテンなだけあって、凄く上手だ。


そのままゴールに迫ると、そこで相手選手に囲まれてしまった。


せっかくここまで追い詰めたのに。


「先輩!

こっちです!」


えっ、ミズキ!?


声のした方を見ると、ミズキが手をあげて叫んでいた。


でもどう見てもがっちりマークされてしまっている。


こんなんじゃ……って、えっ!?


何を思ったのか、キャプテンはミズキに高いパスを出した。


凄い!!


なんと急に高くジャンプしたミズキは、そのままヘディングできれいなシュートを決めた。


わぁーっ!


うちの学校から歓声があがる。


ミズキは、たくさんの先輩にもみくちゃにされながら笑っていた。