それから私は、伊織くんの通う東京の大学へ行くために勉強を頑張る日々。
男の子に告白されることもあったけれど、私の目には伊織くんしか映ってないから断った。
「みおりは健気だね~」
図書室でテスト前に勉強をしていると、親友の希依(きい)が話しかけてきた。
「ん??なんで〜?」
「だって、まだ2年生で遊びたい盛りなのに、須藤先輩を追いかけるために必死で勉強してさ。みおりはすごいよ!!」
希依は目を輝かせながら言った。
「だってね、伊織くんの通って大学すごく偏差値が高いから…。伊織くんを追いかけるためなら勉強ぐらい頑張っちゃうよ!!」
ガッツポーズをしながら希依に言った。
友達と遊びたい気持ちもある。
だけれど、伊織くんを追いかけたい。
少しでも近くにいたい。
あの日、『追いかけて来いよ』って言ってくれて、近くにいてもいいよって言われてるみたいで嬉しかった。

