そんな時、ケータイが鳴った。 ディスプレイを見ると【希依】。 「もしもし?希依?」 希依からの電話に少し心が救われた。 「何かあったの?」 私の様子を察したよう。 さすが親友。 「色々あって家を出てきたの」 それだけを伝えた。 「行く宛はあるの?」 「ない。」 「今どこよ?」 「近所の公園」 「駅まで来れる?」 「うん、行ける」 「とりあえず会おう?」 希依の優しい声が心を落ち着かせる。 電話を切り私は駅へ向かった。