「あっ、夕飯はちゃんとしたやつ食べようかな」 「じゃあ、俺が作るからもう少し休んでて。出来上がったら呼ぶから」 そう言うとそそくさと部屋を出て行った。 まだ少しだけ、ほんの少しだけほっぺたが熱い。 胸が苦しくて、ほんのり甘い痛み。 片想いなのは今も昔も変わらないけど、 高校時代、伊織くんを追いかけていた頃の気持ちが蘇った。