ごめんね、ありがとう

夏目奏太side


「ホテルだって、どこだって行けよ。

今まで縛ってごめんね。夏目くん。」


は?


俺の前から、去っていく俺の彼女。

山下夏音。


めっちゃ可愛くて、俺が初めて好きになった女。


「おい、夏音。」


女を置いて、夏音を追いかける。

なんだよ。別れるってことかよ。


夏音は静かに振り返る。

「下の名前で呼ばないでくれない?

あなたの取り巻きと誤解されたくないの。」


なんでそんな冷たい目で見るんだよ。