神殿ついてすることがないので、階段の端っこに座った。

少しすると、ある夫婦がやって来た。

男の人は鳩を持っていて、女の人は小さな赤子を抱いていた。

わしはなぜかその夫婦から目を離せなかった。

いや、その赤子から目を離せなかった。

何故かわからなかったが、昔聖霊から言われたことを思い出した。

『シメオンよ、
貴方は いつか その目でメシア 〈救い主、イエスの事〉 を見るまで死なないであろう。』

もしかしたら、あの子は聖霊が言ってくれたメシアかも知れない。

そう思い、確かめるために夫婦に近づいていった。