ヨセフ side

「マリア、大丈夫か?」

「少し暑いけど平気だよ。」

今俺たちは住民登録をする為、ベツレヘムの町に向かっている。

マリアはロバに乗っているが、つらそうな顔をしている。

「今日中には着くと思うから、もう少し頑張ってくれ。」


...



夜になり、やっと町が見えてきた。

俺はマリアを早く休ませる為、急いで宿を取ろうとしたが...

「すまないね、今日はもう部屋が満室なんだ。」

「ごめんなさいね、住民登録のせいで客がが増えたから、もう空いてる部屋がないのよ。」

そうやって、長い時間をかけて町中の宿を訪れたけれど、全て満室だった。

そして俺たちにとって最後の希望と思われる宿に着いた。

「すみません、一夜泊まりたいんですが...」

「今日はもう閉店だ。他を当たってくれ。」

宿の主人はそう言って扉を閉めようとした。

「待ってください!妻は妊娠していてもう少しで子供が生まれそうなんです。何とかできませんか?」

俺は必死で主人い頼んだ。

「すまんが、もう本当に飽き部屋が無いんだ。

あるのは客人のろばや馬を泊めたりする動物小屋だけだが...」

「それでも構いません。そこはどこですか?」

主人は驚いた顔をした。

まさか動物小屋に泊まりたいって言うなんて思ってもいなかったのだろう。