「エリサベトさん、みんなで考えたんだけど、《ザカリア》って名付けましょうよ。

父親と同じ名前の方が良いと思うんだけどな...」

「いいえ、この子はヨハネと名付けなければなりません。」

「でもそんな名前の親戚なんかいないですよね?」

「それでもダメです。」


エリサベトが全然意見を変えないので、今度はザカリアに聞いた。

「ザカリアさんは何て付けたいんですか?」

子供の父親は板を取り出し、そしてこう書いて皆に見せた。


『この子の名前はヨハネ』


すると、たちまち口から言葉が出るようになり、ザカリアは神に感謝を込めて賛美し始めた。


この光景を見た人々は恐れを感じた。


そしてそれは噂になり、ユダヤのいろんな村へ知られたそうです。

それを耳にした人々は

『この子はいったいどんな人になるんだろう?』

と思ったそうです。