「わかんない」
「いや、それはこっちの台詞だ」

如月は考えることを諦め、机に倒れ込んだ。

「あー、もういいよ。記憶喪失ってやつじゃない?」
「軽いな、他人事か」
「だって困ってないし」

少しは困って欲しいものだ。
どうして本人よりも、他人の俺が頭を抱えなきゃ行けないのだろうか。

顔は可愛いんだが、どうやら性格には少々問題がありそうだ。

「家出じゃないって事にしといてやるが、それだと如月はどこに帰るんだ?」

頼むから、家に帰ってくれ。

「う~ん…野宿?」

いや、家帰れよ。

「帰れって言われても…どこだか分かんないし」
「口に出てたか…」