元姫は記憶を消したⅠ




美「ふーん、良い字だね」

守「そっちも」



そう言うとアイツは暗い顔になる。

あっ、言ってはいけない事言ってしまったか?

記憶がないのに褒められても嬉しく無かったのか?



美「私には記憶が無い…だから、この名前のどれだけ大切なのかも分かんない…」

守「……そう「でも」ん?」




やっぱりダメだったかな。

そうだよな、って言おうとした時遮られた。

アイツの顔、ここに来て1度も見せなかった優しく微笑んだ笑顔を見せた。



美「記憶がないけど、褒めてくれて嬉しいかった。ありがとう」



その一言だけでも、俺は嬉しかったかもしれない。

1度も見せなかった笑顔を見たから。

アイツ…美生の笑顔はとても可愛いかった。