『どこまで行かれますか?』


前を向いたまま、運転手さんが聞く。









『空港までお願いします』



私の肩に頭を預けて甘えながらウサが答える。




『空港?』




『うん。誰にも邪魔されないとこ行こ』




『温泉とか?』





『どこでもいいよ、香澄さんと二人っきりなら』





ハネムーン気分でタクシーに揺られる私たちは、

世界で一番幸せだと思った。







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