彼の嘘は大きな愛で。



名前を呟き、目を閉じると、

沢山の思い出が蘇ってくる。


今思い出せば、咲くんとのいい思い出なんてなかったなあ。


小さい頃は優しかった咲くん。

でも突然、小学校の高学年ぐらいになると、
私への態度が一変した。


『咲くん!』

『近寄んな、うざい』

『え...どうしてそんなこと...』

『うるせーよ、どっかいけ』


あの時はほんとに悲しくて、

学校に行きたくなかった。

咲くんが隣に居てくれない学校生活なんて、楽しくないと思った。


その時に私は気づいたんだ。


《咲くんがすきだ》ってことを。