そのとき。 「よーく聴いとけよ、 ...雅」 「え...?」 会場がどよめきに包まれる。 咲くん... 今、『雅』って言った? ...だめだめ、自惚れちゃ! 同じ名前の人かもしれないし...。 もしそうだとしたら、 ダメージが倍になるかも。 好きな人の好きな人が、 私と同じ名前なんて...。 でもこれを聴けば、 咲くんを諦められるかもしれない。 その人のことがどんなに好きなのか、 分かってしまうから。