しばらく楽しんで、

気付けば、残り3曲になっていた。


そして、最後から3曲目も終わり。


残り2曲になった。


バラードが始まった。


しかし、すぐには始まらず、

咲くんがイントロで静かに話し出した。



「この曲を、

俺の...


最愛の人に捧げる」



ドクッ



咲くんの、好きな人...


このライブに来てるの...?



「...聴きたくない...」


こぼれ落ちそうな涙を我慢しながら、

耳を塞ごうとした。