だけどそのときは、自分の存在に気づいてほしくて気がついたら手を振っていた。

私に気づいたのか、田中は少し微笑んで控えめに手を振り返してくれた。

「ちょっと!今田中、莉依のこと見て手ぇ振ったよね!」

隣にいた咲夜が言う。

「うちも思った!!」

ちーちゃんもその意見に同意し、私の思い違いではなかったのだと安心する。