「ねぇ、莉依たちホントに付き合ってないの?」
私のところにくるなり咲夜は口を開く。
確かに私たちは付き合っていた頃よりも教室で話すようになったし、クラスのみんなが付き合っていると思っているだろう。
だけど私たちはもう終わった関係。
それ以上のことはない。
「田中モテんのにさ、莉依しか見てないんだよ?莉依だって告白全部断ってるんでしょ?『慶が好きだから』って。」
慶はめちゃくちゃモテるけど、私と渚以外に付き合ったことはないと思う。
私も告白はされるけど、今は誰とも付き合う気はない。慶が好きだからって言っているのも事実。
「まぁ……ね。」
私は曖昧に返す。
すると咲夜はさらに追い討ちをかける。
「それを田中が聞いたら、どう思うだろうね?きっとキツいと思うよ。」
「わかってる……」
慶が渚をふった理由は、私のことが忘れられなかったからって聞いたとき、信じられなかったしツラかったから、わかる。

