私たちは、名前で呼び会うようになった。あの頃は一度もしなかったデートだってするようになった。

他の人とは違うってお互いに言い合ったりもしたね。

「――――じゃあ、また明日な?」

そう言って手を広げる慶。
私はその中に飛び込む。

いつの間にか帰る前に必ず慶は私を抱きしめてくれるようになった。

「…まだ……帰りたくない…」

慶の腕の中で呟く。

「そんなこと言われたら返したくなくなるだろーが。」

そう言って私を離す。

慶は私を見つめ微笑むと「じゃあな。」と言って帰っていった。