だけど私は、ワイワイ騒ぐ気になどなれるはずもなく、急いで教室を出ようとカバンを持つと隣から声をかけられる。 「これから…よろしくな…」 そう言ったのは、あの日以来1度も話すことのなかった隣の席の愛しい人。 田中の声を聞き、懐かしさと切なさに涙が込み上げるが、なんとかこらえ、笑顔で返す。 「隣の席だし、よろしくね。」 そして私は教室を出た。