PM 18:30 僕らの時間



すると本当に神野が立っていて、私を見るなり恥ずかしそうに話しかけてくる。

「あのさ……今、話あるんだけどいい?」

ダメと言えば諦めてくれるのだろうか。

「う、うん……」

「俺、ずっと山下のこと好きだったんだ。だから……付き合ってくれない?」

うそ……

神野は田中と同じ野球部だし、田中とは特に仲が良さそうだったから友達の元カノに告白するとか、あり得ないと思っていたから意外すぎて思わず固まってしまう。

「やっぱりダメか?」

そんな私を見て悲しそうに訊ねてくる。

田中とのことがあったし、まだ誰かと付き合うことは考えていなかったけどこのままだとずっと前に進めないことになる。

それに、田中は私と別れてすぐ渚と付き合ったようだし引きずっているのは私だけ。

田中を忘れられるなら……

「いいよ。」

私は神野に向かって言った。

その日から神野との交際がスタートした。