そんな状況のまま2年生になり3ヶ月がたった頃、吹奏楽部で田中と同じクラスの舞子からある噂を耳にする。
「田中ってもう莉依のこと好きじゃないらしいよ?それでね、渚のことが好きなんだって。」
正直ショックだった。確かに半自然消滅状態ではあったけど、気持ちはお互いに離れていないと信じていた。なのにもう別の人に切り替えているということが、私への想いの軽さを感じさせた。
隣で一緒に聞いていた咲夜が私に声をかけてくる。
「莉依、大丈夫?」
大丈夫なワケない。だけど、一緒に帰るのも手紙交換も、やめると決めたのは私。田中を突き放したのは紛れもなく私だから、田中をせめる権利はない。

