その日から田中との手紙交換は始まった。
1日6通くらいで、次の日は前日に終わった方から始める。
内容はくだらないものだったけれど、手紙を開く瞬間はドキドキしたし、返事を書くときには気分がふわふわして、とても楽しかった。
《今日星賀に手紙見られそうになった。》
《見られなかった?(笑)》
《なんとか守った。》
《あ!家遠いの?》
《駅のちょっと奥らへん。》
《遠いね…いつも送ってもらっちゃってごめんね。無理しなくていいよ?》
《別に俺が一緒に帰りたいだけ。》
お世辞にもきれいとは言えないような字で書かれたたった一言ずつの手紙。
それでも私は全部大切に保管した。