付き合い始めてから数日がたったある日、咲夜からある提案をされた。

「莉依さ、田中と手紙交換しなよ!」


中学1年生の私たちは携帯を持っていないため連絡手段は限られていたし、学校内のクラスが違う同士で付き合っているカップルの中では手紙交換が流行っていたため、私もやってみようと思い、その提案にのることにした。





―放課後―

「山下、今日帰れる?」

毎日田中は私のクラスにきて、一緒に帰れることを確認してから部活に行く。

「う、うん…平気…」

しかし私は緊張と周りに見られているという恥ずかしさでいつも田中の顔を見て返事ができない。

「わかった、じゃあ昇降口で待ってる。」

そう言って田中は教室を出ていった。