取り敢えず部屋を見渡せば、さっきまで座っていた三人がけ用のソファーが二つ。
一人がけ用のソファーが一つ。
長いテーブルにやけに違和感のある本棚。
戸棚がいくつかあり、何故かキッチンがある。
「全くわかんない‼」
誰もいなくなった部屋に俺の声が響く。
(さっきまで賑やかだったのになんなんだよ!)
(って言うか、次の授業…)
「出れないんだったー」
ダンッと壁に八つ当たり。
でも、痛いのは自分の手で、本当に誰もいないのか確認して「痛い…」と呟く。
もーっ。 なんなんだよっ。
大体、翔が連れてこなかったらこんなことには…。
でも、来なかったら…。
脳内に美咲先輩の姿が映る。
「…………探すか!」