コンコンコンと三回ノックして職員室のドアを開ける。










「失礼します。 あの、今日転入することになっている……」










そこまで言うと、三十代前半くらいの小柄な女性がこちらに来る。










「雨宮騎士君ね。 待ってたわ」










「すみません…。遅れてしまって」










俺の言葉に驚いたのかキョトンとする先生。









でも、直ぐにもとに戻り、「いいのよ、」とふんわりと笑顔になる先生。










(なんて良い先生だ‼)










「雨宮君は1年B組で東棟の三階にあるから」










「行きましょうか」と教科書を持って職員室を出る先生の後ろをついていきながら、「はい、」と返事をする。










(家庭科の先生かな? 教科書が家庭科だから…)