「顔赤くしてるけど、残念ながら美咲は俺のだからね」
バッと上を向けば嫌でも分かる不機嫌そうな顔。
その顔も絵になっていて、イケメンって何かと得するなと思う。
「俺は、三学年で生徒会長をしている、桜木洸 ( サクラキ コウ ) だよ。 美咲に近づかないでね」
ニコッと微笑まれた笑顔はとてもとても綺麗で、現実を見せられているように恐かった。
(ま、まぁそうだよな。 こんなに顔が整っているならお兄さんが黙ってないよな…)
少しお兄さんに嫌われたとショックを受けていると、次の自己紹介がやってくる。
「三学年、大原優 ( オオハラ ユウ ) だよ。 因みに言っておくけど美咲ちゃんと洸は兄弟じゃないからね」
「只の名字が同じ他人だよ」とキラキラスマイルを向けるいつか見た落ち着いた男性。


