(ということは?)
「ほら、霧‼ 寝てないで自己紹介だよ‼」とこそこそと紅葉さんは話しているつもりだろうが、丸聞こえである。
「……2年、吉田霧斗 ( ヨシダ キリト ) 」
「えぇ、2年生!? 俺てっきり、」
そこまで言うと、キッと睨まれる。後ろに少し黒いオーラが出ているが、顔が顔だから、なんと言うかそんなに怖くない。
「あ、椎柳拓真 ( シイナギ タクマ )ね~」
手をふらふらと目を合わせず言う男性は、なんか凄く色気が出ている。
(自己紹介だよね!? なんかすごい色気ばらまかれてるけど、自己紹介だよね‼)
少しだけ戸惑っていると、日菜先輩が助け船を出してくれる。
「拓真は、あれが仕事だから気にしない方がいいよ」


