「・・・ここは?・・・・・・紫影!?」


目を開けて、見えた姿に驚いたのか、聖が声を上げて起き上がる。


「姉上!」


だが、その身体はすぐにふらついて、紫影が伸ばした腕に受け止められた。


「・・・大丈夫か?」

「え、ええ・・・」

「それより、何があったんだ?」

「・・・もう用済みだそうだ。・・・まあ、あんな化け物が何体もいたら、そうなるんだろうがな」


そう言って、聖の横で起き上がっていた男がくくっと笑った。


「・・・そういえば・・・」


男の言葉を聞き、四人を連れてきた時の窮姫の言葉も思い出し、花音は声を上げる。


「確かに不要とか言っていたけど、四人だけなの?他の人達は?」

「「「「・・・・・・」」」」


そう問い掛けると、四人は少し俯き気味で黙りこんだ。


「・・・父上達は、まだあいつらといるよ。俺達は、父上達に逃がされたんだ」


沈黙の後、大樹が口を開き、それに続くように水蓮も口を開いた。


「とは言っても」


言いつつ、水蓮は誰もいない方へ手を伸ばし、能力を使うような素振りをする。

しかし、何の変化もなければ、彼女の力が高まるような感覚も感じなかった。