「ねぇ、いいの?あのお兄ちゃん、助けなくて」

「そうだよ!親友なんじゃ、ないのかよ!」


見ていられなくなったのか、蒼牙と紅牙が声を上げる。

風夜は漸く腕組を解くと、火焔に向かって声を掛けた。


「・・・で、お前はどうしてほしい?」

「っ・・・、どうするもっ、こうするも・・・」


締め上げている068の腕を、火焔が掴む。


「これは、俺のけじめなんだ。・・・手は、出すな!」

「ぐううっ!」


言葉と共に、068の腕を炎が包む。

油断していたのか、それをまともに受けた068は、火焔を離し、炎に焼かれた腕をおさえて退いた。

「・・・おのれっ・・・」


腕を押さえた068が低い声で呟く。


「この私を、なめるな!」


吼えた068の雰囲気が変わったかと思うと、火傷を負ったはずの腕が元に戻る。


「なっ!?」

「さて、次はこっちの番だ」


そう言った068の姿が消え、その直後、火焔の身体が宙に舞う。


「うっ・・・がっ・・・」


そのまま、見えない何かにうちすえられ、最後に更に大きく打ち上げられてから、地へと落ちた。