「これは?」

「あいつらが、異界から持ってきた資料とこの世界でとっていたデータだ」

「・・・ああ。間違いない。この資料、あの男のものだ」


火焔の言葉を受け、風夜が視線を向けると、歩み寄ってきた黄牙が確認して頷く。


「それで、その資料をどうするつもりなんだ?」

「ああ。それは」


言いながら、火焔が掌に炎を宿す。

その時、何かに反応した朔耶と蒼牙がほぼ同時に声を上げた。


「「危ない!」」

「っ!!」


空から何かが落ちてきたかと思うと、突然、目の前にいた火焔の姿も消える。

そのすぐ後に、激しく何かを叩き付けるような音が聞こえてきて、花音は音のした方を見る。

その先では、火焔が翼の生えた男に岩へ叩き付けられていた。