「何かあったの?」

「また化け物に襲われたんだ。それも街を襲ってきた奴等とは、比べられないくらい、異常な雰囲気の奴がな」

「ええ、鬼と龍、それ以外にも幾つかの種族が混じっているみたいでした。・・・たった一人の男だったんですけど・・・」

「!!」


夜天と鈴麗の言葉に、花音は沙羅達を見る。

彼女達も同じ人物が思い浮かんだようだった。


「それって・・・」

「あいつ、生きてるのか?」

「知ってるのか?」


声を上げた花音と風夜に、白夜が問い掛けてきた。


「うん。でも、あの時、倒したはずじゃ・・・」

「・・・やっぱり、ちゃんと確認しておいたほうがよかったかしらね」


信じられないと呟いた花音に、沙羅が溜め息をついて言った。


「でも、よくここまで逃げて来られたな。あいつ、スピードも並の速さじゃなかったのに」


黄牙がそう言う。


「ええ、白鬼が足止めしてる間に・・・」

「!!足止めって、白ちゃんだけで!?・・・場所は?」

「この森のすぐ近くです」

「そう、なら行きましょう。一人で相手にするには、少々厄介な相手よ」


真剣な表情で言った神麗に、白夜と鈴麗も状況があまりよくないことを感じとったのか、表情を引き締めていた。