「二人が光輝達と離れたのって、この辺りか?」

「ああ、この辺りだ」

「となると、身を隠すなら、あの森辺りかしら?」


呟いて、琴音が少し離れたところに見える森を指す。


「だろうな。白夜が一緒にいるとはいえ、二人では動くより身を隠している可能性の方が高いだろう」

「とにかく、二人はまず無事を知らせないとですね」


白鬼と鈴麗が言い、彼等と合流していた夜天と雷牙は頷く。

そして彼等が歩き出そうとした時、ふと白鬼と鈴麗が空を見上げた。


「どうした?」

「・・・来る」

「「「「!!」」」」


白鬼が呟いた時、空から一つの影が下りてきた。


「・・・見付けたぞ。お前らだな。あいつらが言っていたのは・・・」


そう言った男の放つ異様な雰囲気に、夜天達は身構える。


「・・・鈴麗。ここは、俺が引き受ける。お前は、そいつらを連れて、あの森に・・・」

「わかりました。・・・行きましょう」


身構えたものの男から放たれている雰囲気と殺気に声を出すことが出来なかった夜天達と違い、白鬼と鈴麗はそう話し合い、鈴麗が振り返って声を掛けてくる。


「行くって、大丈夫なのか?」

「ああ。大丈夫だから、言っている」


刹那の声に、男から視線を逸らさず、白鬼が答えた。


「さあ、行きましょう」


再び声を掛けられ、鈴麗が夜天達を森に誘導しようとする。

彼女についていこうとして、上空から視線を感じ、夜天は視線を向ける。

その先には、一頭の飛竜がいて、その背にいた火焔と目があった。