「お前、魔族かっ!」

「ふふ、そうだけど。悪いかしら?」

「ま、待って!沙羅さんは・・・!」

「姉上」


身構えた白夜を見て、沙羅を庇おうとした花音だったが、光輝に遮られる。


「結局、どうなったんだ?魔族の血は消えたのか?」

「・・・いや、その逆だろ。魔族の気配が増しているからな」


沙羅を警戒しながらも、風夜の気配をよんだ白夜が言う。


「な、何でだよ!魔族の血を消す方法を探しに行ったんじゃなかったのか?!」

「まあまあ、夜ちゃんも、貴方も落ち着いて」


光輝が声を上げた時、後にいた神麗が白夜のことを妙な呼び方をしながら出てきた。

彼女を見て、白夜が目を見開く。


「なっ・・・!?」

「ふふ、久し振り。そんなに警戒しなくても、沙羅さんは味方よ。彼だって、暴走することはないと、私が保証するわ」


にっこりと笑った神麗との関係はよくわからなかったが、何も言い返せないところを見ると、立場は神麗の方が上のようだった。